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どん

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今日は1日かけてアルバムでカバーする唄の楽曲分析をしていた。
それが今回のタイトルのどんと言う唄。
作詞作曲は羊子ちゃんで、彼女のファーストアルバム指一本で倒されるだろうの3曲目に入っている。
※残念ながら初回版は完売してしまっているが、再リリース盤が彼女のサイトで買える。

この曲が初めて披露されたことは今でもはっきり憶えている。
2004.12.22だった。
四谷天窓comfort(高田馬場に移転前)で行われたイベント出演で「新曲が生まれました。」と書かれたフライヤーが配られ、それがどんだった。
その時はクリスマス前と言うこともあり、間奏にアドリブでジングルベルを2小節ほど組み込んだ粋な演出だった。

正直、当時の彼女と今の彼女の音楽に対するスタイルは劇的に変化している。
当時はMCも苦手で控え目と言うか、おとなしい優等生っぽいライブだった。
それが2006年に初アルバムを完成させて梅津和時氏とセッションするようになった頃から
彼女は母の強さみたいなものをまとって変貌を遂げてゆく。
大げさではなく、その強さは、産みの苦しみを通り抜けた達成感によるものだと思う。
ライブでもMCでラップの要素を入れてみたり、最近ではピアノ伴奏無しのアカペラのみのライブに挑戦したりもして、
それまで封じ込めていた「もうひとりの私」というものを彼女の生き方の中で受容するようになったのだ。

話は変わって...
今回僕自身がアルバムを作ることになって、当初どんな選曲にするか、判断基準が曖昧だった。
muzieでほぼ中心をなす楽曲を無料配信してしまっているからだ。
しかしこれはCDの選曲において障壁ではなかった。
ほぼ全てが自宅録音で、プロのエンジニアにミックスしてもらった音源ではないし
むしろこのサイトでの再生回数が「なるほど」と思うような結果だったので、それに準じた曲を候補にしようと思ったから。
ただこれだけでは新たにレコーディングする理由にならない。
配信はしていなくとも、ライブでは毎回やっていた生まれた街でとか大きな愛とかはどうしようとか
欲を言えばきりがない。

さて話を楽曲分析に戻す。
カバーが大好きな僕は高校時代の文化祭で愛はかげろうのピアノ伴奏をギターで完コピすることに成功し醍醐味を味わった事があり、またしてもそんな作業がやりたくなったのだ。
そして何の迷いもなく、羊子ちゃんのアルバムの中では一番好きなどんを入れることにした。
羊子ちゃんには許諾を得て、先日の鉄板パーティーの時にコード譜を持ってきてもらった。
自分が聴き手だけだった時のどんは「彼女の唄にしては分析しやすいのでは」と思っていたが、それは大きな間違い。
この唄は編曲が綿密に練られていて、変則的なコード進行になっている。
また近親調による転調(原曲ではKey of A♭とKey of F)が頻繁に起こる。
勿論原曲のキーでは歌えないから移調するのだけど、それでもこの展開?(転回?)をギターのコードに切り替えていくのは至難だった。
一通り分析を終えて原曲を聴きながら細かいずれを直していたら幾つものコードの付け替えが出てくる。
だいたいピアノの編曲をギター1本に置き換えること自体、無理がある作業なのだか、だからこそ新しい発見がある。
とりあえずこれをベースにしてギターバージョンによるどんが無事生まれるよう、編曲を練り頑張ってみる。

今回の画像は楽曲分析時に出てきたどんのコードポジションです。
by jun_hara | 2011-07-03 18:27 | music | Comments(0)


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