心理学的思考の重要性

e0027033_16362431.png5/18(月)は、こまやんと久しぶりに飲みに行ったのだが、一般に会話する場合の10分1の言葉で正確な意思の疎通が出来る事を再確認した。
と言うのも会話の節々に統計学による言葉の概念を尊重した体系的な心理学の知識が前提にあったからだった。
勿論、『言葉の要約』※1.についてこだわるのも社会心理学を専攻してきた者の性癖としてあると思う。
※1.『好意的←→非好意的』,『快←→不快』とか、こころについての概念は目に見えない。しかし、それが存在する前提で論理を構築しなければ説明のしようがない。この見えない用語の事を『構成概念(composition concept )』と言い、心理学では因子分析と言う統計手法を持って、この集約された用語の妥当性を検証する。

要するに「いかに解り易く、かつ、正確に説明できるか」そして「その話が面白いのか」をお互いが念頭において話しているのだ。

面白さは兎も角、通常、なにがしかの事象に対して事の正否を論じる場合、正しいとか間違ってるとかで会話が進みやすい。
また、「なぜ」という原因を問いかける場合、1要因を持って答えとすることが多々ある。
これはこれで日常の会話としては成り立つ場合が多い。

しかし、あまたの社会現象や『こころ』を取り巻く構成概念について論じる場合、心理学者(とりわけ社会心理学者)は、有意水準多因子を念頭において話をする。
だからと言って「この事象はこの因子において95%の有意水準でありうる」とか「この事象の第1因子は○○で、寄与率が0.57くらい」とか野暮な会話をするわけではない。
通常の会話と同じく「多分」とか「だいたい」とか言ったりする訳である。
少なくとも心理学者が絶対に間違ってはいけないのは、因果関係と相関関係の違いである。
おおよその人は
「どうしてそうなったの?理由を説明して!」
と言う問いに答える場合、一つの原因を説明しなければならないと思っている場合が多い。
しかし、選挙結果と言う社会的事象や、喫煙行動と言った心の構成概念など、大半の出来事ついて説明する場合、相関関係を持って論じなければ正しくない場合が多い。
要するに、「関係はあるけど、お互いが原因や結果とは言いきれない」事を前提にしているかが重要なのである。
これが相関関係を念頭に置いたものの見方であり、正しく心理学を体得してきたものは、やおら断定表現を用いる心理学者モドキには敏感である。
これは未来についても言える事で、「予測はできるけれども、あくまでも確率を前提にしている」重要性を度外視しては失格となる。

それでは『何%の確率』とか言っているけど、具体的にそんなもの計算できるのだろうか?
答えは『勿論』である。

前述で『有意水準』と『多因子』と書いたが、これをもっとくだいて書けば
前者は「何%の確率でそれが言えるか」であり、後者は「事の因子となっているのは第何番目の因子でどれくらいの説明率を持っているか。」と言い換えてもいい。
統計学の検定や確率式で言えば、前者がχ2検定t検定分散分析無相関検定などであり、後者は相関分析重回帰分析因子分析多変量解析などで、
これらのデータの集め方と計算式は正確に決められており、その中核をなす概念が正規分布ピアソン(もしくはスピアマン)の相関係数である。
前者が事象の確率分布における法則であるのに対し、後者は将来予測に用いられる寄与率と言ってもいいだろう。
どちらを計算するにしても、根本的に必要な値は平均値と分散(もしくは標準偏差)だけである。
前者は言うまでもないが、後者は、散らばり具合のことで、平均値からの距離と言ってもいい。
兎に角、この2つの値が算出できれば、図の正規分布グラフが書ける事になり
前述の検定や解析ができることにもなる。

パソコンと言うかEXCELがない時代には、この計算について、なかなかホワイトボックス化が無理で、説明が難しかったのであるが、
今やEXCELがあれば、中学レベルの数学(方程式、順列組合せ、集合)が理解できているのであれば、それほど理解が難しいものではない。
※DOS時代(Windowsがない時代)にもマルチプランでできたのであるが。
難しいと感じるのは、統計用語自体が日常とかけ離れている事と、統計式自体が、最初は解り易いのに、積み重ねたらボリュームが大きくなってしまうからである。
少なくとも心理統計に用いられるのは四則演算とべき乗や√のレベルに過ぎない。

もし時間のある人は、以下の早稲田大学のeラーニングを観てもらえれば
そんなに難解な事を言っている訳ではないことが解ると思う。
※視聴にはiTunesのインストールを前提にしています。
 iTunesが入っていない人はコチラよりダウンロードして下さい。

初心者に統計学をイメージしてもらうには
入門統計学 / 向後 千春 Introduction to Statistics

EXCEL(表計算)がある時代の統計学の教え方
統計学I / 向後 千春 Statistics I
統計学II / 向後 千春 Statistics II

by jun_hara | 2015-05-20 17:56 | 出来事


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