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父の口癖

父の口癖_e0027033_123268.jpg僕がまだ世間の事へまともな姿勢を持たなかった頃、よく父が言っていた「この国は法治国家やから」と言うのを思い出す。
今思えば当時、大蔵省管轄神戸税関一筋で退職した、高度成長期の典型的な大人の意見だったと思う。

この言葉を思い出したのは19日。
予算委員会で桝添さんから菅さんへ「中国は人治国家から、法治国家へなるように」との言葉があったからだった。
しかし個人的には「本当にこの国が法治国家なのだろうか?」と思う中でこの歳になってしまった。
僕は未だ「この国が法治国家だ!」と言える気にはなれない。
むしろこの国こそ法と言うものが機能していない人治国家のままではないかと思う。

少なくとも現在においては労働基準法が現実的に機能するための組織が機能していない
だからと言って労組復活などど懐古的な事を言う気もないし、過去その恩恵にあずかったこともない。
勿論、ソ連崩壊後、東西問題を軸にした労働組合も機能していないし、必要ない。
当時、労組が残骸として残っていた現場では、平社員さえこれを元に仕事をせず、自分たちが出来ない仕事を受注し、労組を持たない社外協力会社の派遣社員へ丸投げしている現場を何度も見てきたからだ。
今やこの悪癖は労組に関係なく、元請けが下請けや個人を宛にし、同じ現象を続けているのが現実。
これでは賃金格差だけでなく、雇用空洞化の結果として新興国に経済的財産を持って行かれても仕方がない。

労働基準法を司る労働基準監督署の職員さえ、窓口は外注にあずけて、職員に問題が届こうものなら、マニュアル通りの事なかれ主義で全て終えようとするのが現実なのだ。
勿論行政がこれではNPOの活動にも限界がある。

過去似たような話を父が現役だった時、何度となく聞かされたような...。
所属集団に甘んじて弱者を顧みないような愚人が父でないことは誇りにも思っているが...同時に、未だ生きることに疲れ果てている初老にとって頭痛の種にもなってもいる。
年々なりたくもなかった遺伝子を引き継いでいることに苛ついているのだ。

要するにこの歳に至っても自らがこれからもこの国で生きていく事に自信が持てないまま、子孫を持とうなどと言った高慢さは未だ受け入れがたいのだ。
想像もしなかったけど、この歳にして大学卒業後から感じてきた不安感は消えるどころか、他の同世代に「お前はそう思わなかったのか?」と言いたいくらい、世間に対する不満を聞かされる昨今だ。

「じゃー出来ることは何か?」と言われれば何もない。
皮肉を込めて言えば「後は神頼みしかない」と言うことくらいだろうか。

それは兎も角、今回の国会中継録画は、まれに見る知的水準の高い質疑応答だった。
この答弁が批判から提案に変わり、我々末端にまで恩恵があるような結果が伴えば文句はない。
法務大臣があの体たらくだと希望薄だけど。

今回の写真は先週末の富岡八幡宮です。
by jun_hara | 2010-11-20 01:01 | 週末 | Comments(0)


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