映画連合艦隊司令長官 山本五十六を観てきた。
原作は半藤一利氏の山本五十六であることをTBSの時事放談で知って観に行った。 昭和史に興味がない人は「誰?」っていう人物だけど、少なくとも70歳以上の人は名前だけは知っていると思う。 真珠湾攻撃時点での連合艦隊司令長官であり、戦死においては国葬もされた軍人である。 そして栗林忠道と同じくアメリカへの訪問もやっており、出来うる限りの最小限の戦争と早期講和を常時念頭に入れていた人物である。 太平洋戦争においては、何故あんな無謀な戦争をすることになったかは一言では語れない。 ただ、戦後教育で本当の国史を正しく教えられなかった世代は、自力でも研究をし直すべきだと思う。 でないと原発問題においても日本人論など語る資格はないと思う。 福島第1原発事故について、大手メディアの発表を「大本営発表」と言われることが多いが、本当に「大本営発表」観た人は、録画も含め記憶にとどめている人がどれだけいるのだろうかと思う。 史実と照らし合わせた場合、「大本営発表」と「民意の閉塞感や高揚感」の関係性をも理解せず、この安直な表現を現在のメディアに当てはめて使う人には虫ずが走る。 決して枝葉末節の指摘ではない。 一番大切な表現のあり方にかかわるからだ。 今に繋がる本当の歴史を知っているなら、流行語ではないこの「大本営発表」という表現を現在のマスメディアに当てはめて語って欲しくはない。 本当の放射線による被爆者がリアルな被爆に伴う苦渋として経験するのはこれからなのだから。 上杉隆氏の年内ジャーナリスト引退宣言後のこれからは、このことを知っていてやっている。 話は前後するが、戦中の国民が得られるメディアは新聞とラジオしかなかった。 今はどうかといえば、Webを通じて多くのジャーナリストとして食っている人達が、マイナーなりにもその情報発信で飯を食えているし、発信さえ国境を越えてできる。 確かに日本記者クラブという既得権益を持ったジャーナリズムのあり方は巨悪であるが、これをとらえても戦中と現在では境遇が全然違うことを認識した上で「大本営発表」と言う表現と照らし合わせて欲しい。 少なくとも、ネットでこの表現を使う人は「本当に太平洋戦争に至った背景をわかっているのか」ということが多い。 太平洋戦争を行った検証は未だ確定的な歴史的説明など誰もできないのだ。 それにも関わらず、山本五十六、栗林忠道、そして東条英機などを一色単(いっしょくたん)にして当時の軍人と言うだけで悪者扱いだけにしてる人が多いのではないだろうか。 特にやっかいなのは中途半端な教養を持って世界史(西洋史)にはある程度詳しいが国史(日本史)については今のマスコミレベルで情報発信をしている人だと思う。 リアルタイムの事実をスケープゴートで切り、説明率を上げるのは容易い。 しかし、例えば1941/12/8時点で国力差が10倍も違い、しかも9割の石油輸入先であるアメリカに対しての戦争を何処のバカが精神論だけで開戦させるだろうか。 先に示した人達は誰もがこのことを知っていて『立場』という運命の上で生きたに過ぎないことが99%なのだ。 基本的に僕は情緒に依存する右翼が大嫌いだし、野党や左翼でさえ「提案のない批判」だけを続ける存在には辟易としている。 ましてや官僚から弄ばれたままで、与党として崩壊状態の民主党に投票したことへ後悔もしているけど、 かといって自民党をはじめとする代替えの政党がない状況には、民主主義なのに選択枝がないことでは途方に暮れている。 福島原発の件に関しても、勧善懲悪的に御用学者とか誰が作り出したか解らないキーワードをただのフィーリングで使っているステロタイプの情報発信者の言葉には嫌悪感を憶える。 これでは戦中の隣組やNHK朝ドラのカーネーションに出てくる国防婦人会など、個人の生活世界にとって一番監視社会を煽った一般人と変わりないではないか。 本気で原発についてジャーナリストとして情報発信したいなら、少なくとも1度は福島へ足を運ぶべきだと思う。 でなければ安直に原発の現場にかり出されている人達を英雄化するようなことの前に、 「いったいこんな現場に連れてこられた人達はどんな人達なのか?」を知るべきだ。 答えを言えば、原発の事故現場最前線で行動している人は 大阪や東京などで浮浪者だった人で、人身売買みたなヤクザな人材仲介業者がかき集めたのが殆どなのだ。 太平洋戦争については追体験が難しわけだけど、こちらも少なくとも、半藤一利氏の昭和史 1926-1945 世界中が「確かなものなど何処にもない」と知らされた1年だったから。
by jun_hara
| 2011-12-29 23:53
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