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生涯の友

生涯の友_e0027033_8574379.jpg大学時代からの友から嬉しいお祝いが届いた。
実は僕が東京を離れて心理職を目指すことを話した時、唯一真正面から反対してくれた奴である。

僕の方向転換は、常識から考えれば、この歳でやることではないと思う。
当時僕は、別に技術職の仕事であぶれているのではなく、
むしろ、周りが生き残ることで精一杯なのに、案件は引く手あまただったし、
そのキャリアを全てゼロにするのは誰が考えてもおかしい。
いい大人だったらどんな理由があれ、バカなことをしていると思うのが一般的だろう。
しかしそんなことを、嫌われても本音で言い続ける奴なんて、家族でもなければ、ほぼない。

1年半前、僕が「心理職を目指す」と言った時、2時間以上かけて考え直すよう言ってくれたのも、
お互い学生時代からそうだったし、また、それぞれが転職などの移行期にある時は、話し合ってきた中でもあるからだ。

僕等の世代は卒業後にバブル崩壊を経験し、そうでなくとも、終身雇用にしがみつくままに生きてきた人以外は、
それぞれが自分の進路を決断しなければならない時期を経験している。
この時期を移行期と言い、正しい答えは何処にもない問いを繰り返し、次の道へと進んできた。
勿論、結論を出すのは自分自身なのであるが、その過程で本質を語れる人ほど大切なものはない。

しかしそんな友人を作るれる機会は、利害関係がなく守るべき生活世界が固定されていない時以外は皆無に近い。
それが学生時代なのであるが、今では物質的に豊かになり過ぎたのか、それさえも難しいみたいだ。
誰もが「解離的な現実」を疑いもなく受け入れて、器用かつ当たり障りのない距離感の対人関係を良しとしている。
また、KYなどの偏った価値観が横行している中、そうせざるを得ないのだろう。
それが一番の孤独に繋がる根源とも気づかないまま。

僕等自身も学生時代はこんなに長い付き合いになるとは思いもしなかった。
また、卒業してからも頻繁に会っているわけではない。
お互いそれぞれの世界で忙しくしているし生活がある。
それでも何かあったら、しばらく会わずとも、また会えば、元のままで話せるのは、
学生時代に何度もぶつかり合った数と比例していると思う。
要するに、僕らは、その場しのぎで仲良くするといった器用なことができなかったのだが、
だからこそ腹を割って話せる関係に成熟したのだと思う。

総じて、社会に出てからは利害関係なしの深い絆を作ることが難しい。
必ず敵は現れるし、裏で人間性を疑うような理不尽な態度をする存在も珍しくない。
僕も時に他者にとってはそうであるだろう。
正論だけで結論を出したり、八方美人が通用するほど、人生は気楽なものではないのだ。
だからこそ、非線形な判断を迫られる時、本音で語り合える存在は、この上なく大切すべきものだと思う。
by jun_hara | 2016-03-12 10:03 | Comments(0)


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