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男たちの大和

男たちの大和_e0027033_4544246.jpg今日(正確には昨日)昨年末に映画でも観た男たちの大和をDVDで観た。
やっぱり涙が止まらなかった。戦後60年後にして好く出来た映画だと思う。
ただその悲劇に至る歴史的背景については一編の映画では説明しきれないだろう。いや、それについては学校教育で早くから教えるべきだ。東西冷戦下であった僕らが小学生の頃なら兎も角、今ならイディオロギーの影響も少ないはずだから出来なくはないだろう。しかし現在でも御上からの命で説明もなく君が代とか日の丸掲揚とかを強要する本末転倒なことがまかり通っているので難しいのだろうか。
僕は君が代とか日の丸が嫌いなわけではない。むしろオリンピックなどで聴く限り君が代のメロディーは斬新であり、かつユニークなので名曲だと思っている(音楽理論的に言えば、「終止がトニックコードの内音で終わっていないため、千代に八千代に...の歌詞と通ずるものがあって見事」だ)。歌詞についても「君=天皇」と言う解釈でないとしたら充分流麗な日本語だとも思う。日の丸にしても最近では見かけなくなったが祝日に近所の家々が掲げている風景は子供ながら美しい旗だと思っていた。ただ、この二つが戦前の軍国主義の象徴であったことから拒絶感をいだく人がいることには充分納得できる。そして歌の意味や国旗の成り立ちも充分に説明せず法制化したことには全く納得がいっていない。
今更ながらだけれど、民主主義はただの数の論理ではない。説明と議論と手続きが充分になされた上での数の論理のはずだ。今一度この国は国民に向けても海外に向けても充分な説明責任を果たすべきだと思う。

僕は学生時代から唯一日本史だけが苦痛なく憶えられたのだけれど、戦中戦後については無知だった。ここ2年くらいで色々研究というか本を読んだり映画を観たりしてきたのだけれど、解れば解るほど現在とのつながりと言うか歴史の必然性についてステロタイプ的には総括できなくなってくる。

どうしてあんな悲惨な戦争を始めてしまったのか。始めざるをえなかったのか。
それについてはおぼろげながら解ってきたので一度自分でも文章にして整理したいと思っている。それは敗戦後のGHQとアメリカ政府の関係、それに朝鮮戦争、ベトナム戦争、そしてその国際情勢と日本との係わり合いについても含めて。今生きている僕等の時代とつなげる意味をこめて。そして誰が読んでも解り易く咀嚼できる形で。

少なくとも美辞麗句としての「美しい日本」なんていらないから、護憲であろうが改憲であろうが結果としては平和憲法であり続けることを切に願っている。現在の憲法ができた経緯は兎も角、政治家の武士道的な名誉のために変な愛国心を煽って戦前の国際関係に戻るようなきっかけになってしまうとしたら恐ろしすぎるから。
by jun_hara | 2006-09-16 03:42 | 独り言 | Comments(0)


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